「塗る耐震」で世界へ 独自塗料で犠牲者0目指す

「塗る耐震」で世界へ 独自塗料で犠牲者0目指す

 

日本のスタートアップ企業「アスター」が、地震から建物を守るための革新的な塗料を開発し、その技術を世界に広げることを目指しています。地震が頻発する日本から生まれたこの耐震塗料は、特に「祖籍像」と呼ばれる、レンガや石を積み上げた住宅においてその効果を発揮します。祖籍像は世界の人口の約6割が利用しており、地震による被害の多くがこの構造物の崩壊に起因しています。

 

アスターのCEO、鈴木氏と共同創業者の山本氏は、地震に対する高い意識を持ち、耐震塗料の開発に取り組んできました。塗料には、水性の基材と高強度のガラス繊維が組み合わされており、これにより建物の強度と変形能力が向上します。実際に、阪神大震災級の振動実験でも、塗布した建物は無傷のままでした。

 

耐震塗料の特徴として、その塗布が簡単であることが挙げられます。アスターは独自の混合技術を持ち、繊維を塗料に混ぜることで、塗布後も美しい仕上がりを保っています。この耐震塗料の効果は約10年間保証されており、実際には20年以上持つ場合もあるとされています。さらに、塗料の強度は時間と共に増していく傾向があります。

 

アスターは、2024年までに7カ国をターゲットにし、海外市場に目を向けています。特に、災害への意識が高まる中、イタリアなどの先進国でも需要が見込まれています。企業は機能性塗料として、下塗りや中塗りの後に希望の色を塗る方法を採用しており、透明な塗料も開発されています。

 

現在、アスターが見込む市場規模は、12カ国で約40兆円に達するとされています。特に東南アジアでは住宅の建設ラッシュが続いており、祖籍像の需要が増加しています。アスターは、持続可能なビジネスモデルを通じて、地震による犠牲者を0にするという目標を掲げています。今後の展開に注目が集まります。

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