アメリカ海軍の原子力空母「ニミッツ」が、9万7千トンの巨大な艦体を引き連れて、佐世保港に入港しました。この原子力空母は、戦闘攻撃機スーパーホーネットなどを甲板に搭載しており、まさに動く航空基地のような存在です。ニミッツは、昨年11月から西太平洋で訓練とパトロール任務を遂行しており、今回の入港は乗組員の休養を目的としています。
入港したのは、ニミッツとその姉妹艦である「アメリカ」の2隻で、午前10時頃に佐世保港の中央部に停泊しました。この2隻の原子力空母の入港は、9年ぶりとなります。市民への艦内公開は計画されていないため、一般の人々が艦内に入ることはできませんが、海軍は乗組員の休養を重視しています。
一方で、佐世保港を見下ろす高台では、労働団体のメンバー約20人が集まり、原子力空母の入港に対する抗議集会を開きました。彼らは、戦争の道具が佐世保に入ってくることに対して懸念を示し、「平和を求める私たちの声を絶やさないようにしていきたい」と訴えました。抗議の声の中には、地域社会への影響や安全保障に関する懸念も含まれており、入港に対する賛否が分かれています。
ニミッツは、佐世保港に5日間滞在する予定で、今月23日に出港します。この期間中、艦内での特別なイベントや公開は行われないため、一般の人々が直接触れ合う機会は限られています。今回の入港は、アメリカ海軍の活動の一環として、地域における安全保障の重要性が再認識される場ともなっています。