愛知県で、軽油と灯油に関する課税の違いを悪用したとして、石油製品販売業者の男ら5人が逮捕されました。逮捕されたのは、厚田通称の実質的経営者である田中静容疑者を含む4人で、昨年6月から昨年4月にかけて、知事の承認を得ずに灯油114キロリットルを「軽油」と称して運送会社に譲渡した疑いがあります。また、灯油を混ぜた軽油170リットルを製造したとされています。
警察によると、5人は不正軽油に関する軽油引き取り税を免れた疑いも持たれています。この脱税額は総額で931万円に上るとされており、警察は5人の関与の詳細について調査を進めています。
軽油はディーゼル車の燃料として課税されていますが、ストーブなどで使用される灯油は課税されていません。この課税の違いを利用した手口が今回の事件の核心です。厚田通称は架空会社を介して運送会社の社長に軽油の名目で灯油を販売し、運送会社から架空会社に軽油引き取り税を支払わせる形を取っていました。結果として、架空会社は課税対象外の灯油を扱っていたため、軽油引き取り税を脱税していたと見られています。
このような不正行為は、脱税だけでなく、公正な市場競争の妨げにもなると考えられます。警察は、運送会社の社長も何らかの利益を得ていたと見ており、今後の捜査で全容解明を目指しています。
この事件は、税法の抜け穴を利用した悪質な事例として、社会に与える影響が大きいとされています。警察は、こうした不正行為を許さず、厳正な取り締まりを行う方針です。今後の動向に注目が集まります。